露出補正


(写真:白飛びを避けるため+1.2/3で撮影、後処理で明度彩度を補正。)


幾らカメラの性能がよくても、カメラの基本的な性質をある程度把握していないと、思ったような写真にならない場合も多々あります。
まず基本になるのが、「露出補正」。オート撮影(カメラ設定「P」)で撮影する場合でも、撮る風景が明るい時、暗い時は手動で露出を調整する必要があります。

※露出は非常に奥が深く、計測する方法で算出される値が大きく異なります。
本項では、とりあえずカメラのデフォルトである「評価測光」を基準に話を進めさせて頂きます。
(評価測光は画面全体から露出を割り出す方法。その他中央重点やスポットがあります)

■被写体、全体が明るい■
全体が明るい写真の場合、カメラの判断は「グレー寄りに暗く撮っておこう」。
そのままシャッターを切っても、明るい写真にはなりません。この際、幾ら照明を明るくしても無駄、露出補正をプラス方向に調整します。

補正していないのが一番左。暗く撮れ過ぎてイメージとはかけ離れています。
プラス1段補正したのが中央。これでもまだ暗いですね。
さらに2/3段補正して、ようやくイメージに近い明るさになりました。
2段補正でもいいくらいですね。

■被写体、全体が暗い■
全体が暗い写真の場合、カメラの判断は「グレー寄りに明るく撮っておこう」。
露出補正をしないと、明るく撮れてしまうので、今度はマイナス方向へ補正します。

補正していないのが一番左。せっかく黒い背景で黒い制服を撮ったのに、背景が完全にグレーになってしまっています。
マイナス1段補正したのが中央。幾らか暗くなりましたが、まだ背景が明るいですね。
マイナス2段補正して、やっと背景が黒く見える写真が撮れました。
これだと今度は警官の顔が暗過ぎるので、バランスを取るには後述のレフ板を立てるなど少し工夫が必要です。

というわけで、まとめると。
明るい写真を撮る際にはプラス補正、暗い写真を撮る際にはマイナス補正。
幸いデジタルカメラであればプレビュー画面で写真の明るさがある程度確認出来るので、調整しながら色々撮ってみるのも良いと思います。


絞りとシャッタースピード

本項は、やや専門的なので面倒な方は読み飛ばして頂いて結構です。

カメラの根源的な仕組みとして、「絞り」と「シャッタースピード」があります。
「絞り」とは、フィルム面に入ってくる光の量を調整するモノで、絞れば絞るほど(値が大きくなるほど)光の通り道が狭くなり、結果ピントが深くなるのと同時に写真が暗くなります。
「シャッタースピード」とは、速度ではなく時間の値で、シャッターが開いている時間を指します。当然、開いている時間(露光時間)が長ければ写真が明るくなり、短ければ暗くなる。
この2つの相関関係が写真技術の中枢、大前提になります。

絞り(ピントの深さ)を優先して考えると
ピントを深く撮影したい場合、絞り値を大きくしますが、これにより光の量が減ってしまうので、これを補うために露光時間を長くする。
逆にピントを浅く撮影する場合には光量が増えるので、露光時間を短くする。
絞り優先モード(Av)では自動的に絞りに応じた露光時間調整をカメラが自動的に行ってくれるモードです。

シャッタースピード優先モ−ド(Tv)は、露光時間を固定し、一定の明るさを保つようカメラが自動的に絞り値を増減してくれるモードになります。

プレイモービル撮影のような動かないモノを撮影する場合は「絞り優先」で撮影するのが基本、更に設定を追い込むならマニュアル撮影がオススメ。
難しそうに思えるマニュアル撮影も、絞りと露光時間の相関関係を理解出来さえすれば、露出を完全にコントロール出来るので、結果思い通りの写真が撮れるようになります。

(AvもTvも、露出の判断はカメラが下しているので、状況次第で明るさが勝手に変わってしまいますが、マニュアルで露出を固定すればアングルが変わろうとなんだろうと、常に同じ明るさで撮影が出来ます)


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